講義①吉田先生への質問
(質問)
15ページの4枚目スライドに〈AF中は同定不可能〉とありますが、なぜですか?
イメージではマッピング中にAFがあれば、起源がどこか同定できるのではないかと思い、理由がしりたいです。
(解答)
AFが持続する場合は、心房電位の周期がバラバラなため、通常の方法で起源(再早期興奮部位)を同定することはできません。
唯一の方法がCARTO finderでの解析になりますが、その効果も現時点では明らかではありません。
PAFが頻繁に起きては止まることを繰り返す状態であれば、AFが始まる時の再早期心房興奮部位を同定して、アブレーションする事が可能です。
これが通常の非肺静脈起源のアブレーションになります。
講義③佐生先生への質問
(質問)
最後から2番目のスライドに「VT storm」は減少しないとありますが、なぜでしょうか?
アブレーションでVTの出現頻度が下がればVT stormも減少するのではと思いました。
(解答)
VT stormは減少しないかという点については、まだ解明されておらず、この試験をまとめて表記したBをみるとVT ablationの有効性は認められていないということになります。
この報告でいえることは
SAMASH-VT(2007)とVTACH(2010)とSMS(2017)は、Stable+unstable VTを含めてICD植込み前に予防的にVT ablationをした群とICD植込み後にVTがおこってからVT ablationした群を比較したものになります。 この3つの試験は、抗不整脈等の内服はしてないということでピュアにablationとICDを比較したものになります。
おそらくVT stormは減少しないという点において症例数がすくないのが差がでていない一番の要因かと思われます。また、テクニカルな部分が多くそこも大きく関与しているかと思われます。
そのため、ガイドライン的にもVT ablationを積極的にしましょうという考えに施設間でバラツキがあるのかと思われます。